続クルーズ日誌

060608 大西洋カリブ海

投稿日: 2014年4月5日

060608

 深夜には、これまでで一番激しい左右の揺れが続いた。列車の連結器の間に立っているような揺れだった。本来、イギリスから大西洋に乗り出したときに起こる揺れが、今頃になって、低気圧の関係で再現された。部屋に置いてあるスーツケースが倒れた。

 

 八点鐘でのキャプテンアナウンスに依れば、『ニューヨーク停泊中はお天気に恵まれず、お疲れ様でした。

 

 にっぽん丸はニューヨークの南東180海里(333km)を、珍しく南東方向に航行しています。風が強く、うねりもありますが、追い風・追い波なので大きな動揺はありません。南に下がるほどに静かになってゆくでしょう。波乗りのつもりで楽しんでください。

 

 現在の空模様は曇りですが、お天気は回復傾向です。
楽園バミューダに向けて、心は晴れ晴れといきましょう。
今日はデッキランチを予定しています。

 

 ニューヨーク上空で急速に発達した低気圧は、昨日の午後で1,001hPa。今日は990 hPaまで下がり、ニューファンドランド島方向へ向かっています。日本で言えば「台湾坊主」と呼ばれる台風並みの低気圧で、付近には嵐の警報が出ています。
しかし本船は南方向へ向かって離れていきますのでご安心ください。

 

 日本は梅雨のシーズン到来ですが、梅雨の無いニューヨークでは昨日のような天気が続いており、今年は天候不順で異常気象だと水先案内人が言っていました。地球温暖化の影響かもしれません。

 

 これからの航路は、南に向かいますので、急に気温や湿度が変わり、体調を崩しやすくなり、胃腸も弱ってきます。寄港地では生水や生の食品は避けてください。感染性胃腸病のもとになるので、充分にお気をつけください。
本日もどうぞお楽しみください。』

 

 ニューヨークの南東180海里(333km)を、珍しく東南方向に航行中だという。「珍しく」の意味が不明。西北西の風12m。波は1.5m。然し、うねりによる波は2.5mとなっている。つまり、風が強く、うねりはあるが、追い風と追い波なので、おおきな動揺はないという。だから、デッキランチをすると予告。ニューヨークでの風雨は、上空に低気圧があったからで、1001hpaという台風坊主のようなものだったらしい。だが、それも、ニューファンドランドへ北上したので、天候は回復するという。

 

 しかし、揺れた。洗顔していても、蛇口に額がぶつかりそうで注意が要った。

 

 未だ眠っていたかった。朝食に着替えて出るのが面倒だった。然し、デッキゴルフには行きたい。だから部屋から出た。朝食のテーブルでは、昨日ツアーバスでの行方不明客の話が出た。噂では、どうやら客の方が悪者になっている。しかし、人数を確認せずに、所定の場所からバスを走らせたスタッフ側のミスは事実だ。対応策も拙かったため、その84歳の客を悪者扱いするは気の毒だと流れに変わった。

 

 デッキゴルフは、12人となった。滑りの感覚が違っていたので、あっと驚くほどに多くが的を外した。ドボンされる回数も多かった。初戦は、最後に3:1となり、ラストのショットをミスって敵に上がられ負け。上のスポーツウッドデッキでは、デッキランチのための天幕張りが行われている。

 

 2戦目は、2ホール目から動けず、敢えて時間切れドローを狙って、ヒール役になったが、防ぎきれず、権利玉の多い白松田組に負けた。個人的には2連敗した。左肩の痛みはもう後少しで取れるだろう。

 

 3階の東ギャラリーが新しい写真と入れ替わった。ニューヨーク風景が6枚一挙掲載。昨夜は、またセレクションとカラー調整など目に悪い作業が大変だったのだろう。あの揺れの中で、である。なおさらだ。

 

1, リバティ島から迎えてくれた自由の女神。カメラを構える船客等を下部に入れ込んでのフレーム。

 

2, 雨で夜のようになったタイムズスクエアの広告ネオンボード。

 

3, MET(メトロポリタン美術館)に居たエアラインのタッグが付いたままのベビーカーに乗せられた幼児。

 

4, スポーツ店にあった松井の等身大のカット板。なるほど、ニューヨーカーに頼りにされていることが判る。

 

5, 対岸のニュージャージーから捉えたにっぽん丸とピースボート。なんと言っても、労作傑作。摩天楼を入れ込んで、2隻の日本船が埠頭に並ぶという、願ってもないチャンスをものにするために、車を走らせたのだろうと思うと、頭が下がる。ピースボートのトパース号は、翌日には姿を消すのだから、初日の晴れ間に撮っていなければ、タイミングを逸することになった。

 

6, フィフスのブランドショップ(グッドマン)のウインドーディスプレイ。人物を配して、著作権を免れている。

 

 デッキランチの海は、まだ揺れている。管井夫妻と船尾の方で反省会と称して、ナイヤガラの滝ツアーに出掛けていた荘輔さんからの報告を受けた。自然が好きな荘輔さんにとっては、ニューヨークの街作りそのものが嫌いなのだ。瀑布が窓から眺められるホテルがとても良かったという。夜は夜でその瀑布を眺めながら、酒をちびり、ちびりやって、朝は朝で、カーテンを開けて壮大な気分を味わっていたという。

 

 ヴァイキングスタイルは、チョイスできるとはいうものの、塩分の少ない料理は少ない。カレーを見つけたので、たれの濃い鰻丼はやめておいた。今日はドイツ系缶ビールが多かった。デンマークビールが美味かった。缶ビールを2本も飲んでしまった。

 

 カメラを持ってきたのだが、不思議に撮りたくならない。光が不足していて明るくないからだろうか。食事している人の服装も、寒々していてなんだか、地味だ。

 

 デッキゴルフといえば、フォードルフィンは明るいアロハシャツを着込んでいるのだが、彼らも、濃いベージュ色で中国公務員服のようだった。ウエイターもウエイトレスも、通常の服装だった。バンドについて走り回っているカメラマンの平野さんだけが、アロハ姿だった。ビールで酔った人が居るにいるが、盛り上がっている座席は少なかった。開放感がイマイチといった感じ。強い日射しは明日を待つしかないか。

 

 部屋でTVナビを見る。キャプテンがいう、追い風追い波だからだろうか、速度は21ノットまで出ている。無理してこの圏内から脱出しようと懸命に走っているように思える。チャンネルを変えて、操舵室からのカメラ映像を見る。コブのある斜面を無理矢理突っ切ろうとしているスノーモービルのようだ。

 

 PCを打とうとしても、疲れる。止めて眠る。電話で起こされた。デッキゴルフの表彰式は何時だと美子さんが訊いてきた。17時だがといって時計を見ると10分前だった。なにも手伝わないままに、リドデッキに上がってみると、菅谷、高橋、西出の三氏以外は、みな居た。西出さんは船酔いでダウンしていた。

 

 リドデッキは最上階でしかも、舳先に近い。この船の中では一番揺れる場所での飲み会だ。波の高い日でも船尾でプレイしてきたメンバーだ。さすがだ。程なく菅谷さんが上がってきた。

 

 最下位チームのリーダーだった僕が口火を切って、優勝チームを讃えた。長老のコンドル菅谷が乾杯の音頭を取り、商品授与の表彰式を行った。憎たらしき4名、高嵜、菅谷、工藤、山縣にモパスのTシャツである。割れんばかりの拍手で祝った。本田さんからのメール文を口で伝えた。

 

 次男が教えてくれたTV東京の生中継は、やはり、この船で行われていた。中島さんの奥さんの親戚が船内見学に訪れていた最中で、インタビューに答えたという。息子が、録画したとメールしてきたので、帰国後の楽しみにする。

 

 ここでも缶を飲み、昼に続いてビール腹になってしまった。

 

 このため、夕食は食欲なく、ブルゴーニュ煮の牛肉だけを食べてデザートにした。コーヒーは重いので、初めて紅茶にした。

 

 大風呂はクローズ。アントニオ古賀がニューヨーク港から乗船したのだが、そのメインショーもパスした。パジャマ姿になってPCに向かった。

 

 20時、ようやく、大風呂解禁のアナウンスが流れた。

 

 TVのニュースでは、「犬の誘拐に備えた保険とか、捜索会社が生まれて繁盛している」という。確かに、愛犬家にとっては、家族の一人?だから、人間同様に、保険があってもおかしくない。こうなると、ペット・ドックとか、ペットのペット検査とかも出て来るに違いない。

 

 明日は、一転まばゆいばかりの光の下で、南海の楽園を楽しめるか。
 ハミルトンでは、英国領だから有るだろうと、妻がサンドイッチ・スプレッドの一種を探してみたいと言っていたな。僕は専らキューピーのサンドイッチ・スプレッドを好んでつけている。捜し物のそれは、よく小説にも出てくるもので、「マーマイト」とか、「ベジマイト」とかいう。義弟がイギリス在住時代に土産にくれたものだ。

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